癒しの時間(和啓)






「だからね、啓太。現代は癒しを求めてるんだよ。24時間稼働し続ける現代。ホッと心が休まるそんな時間が必要だと思うんだ。」
「そうなの・・・かなあ?」
「啓太は癒されたいって思ったことない?」
「俺、あんまり深く色々考えないからなあ。」
 ふわりと笑いながら、啓太はのんきなことを言っている。
「啓太自身が癒しの存在だからな。」
 にっこりとご機嫌な笑みを浮かべ和希は啓太を見つめる。
「俺、いつも啓太に癒されてるよ。もちろん今もね。」
「和希?」
「啓太・・。」
 午後の柔らかな日差しを受けながら、のんびりと過ごす時間。
「啓太の膝気持ちいい。凄く眠くなる・・・。」
「・・寝て良いよ。和希お休み。」
「うん。啓太・・・おやす・・み。」
 啓太の膝に頭をあずけ、和希はまぶたを閉じた。


「おい、誰かあのバカップルの片割れを殺して来い」
「郁、顔が怖いですよ。」
「臣!お前はよく冷静で居られるな。」
「冷静・・?そんな筈ないでしょう?伊藤君の膝枕で眠るなんて、しかもあんな場所で、僕たちに見せ付ける為だけにしてるとしか思えませんからね。」
 背中に黒い羽をパタつかせながら、七条はカタカタとキーボードを叩き始める。
「年齢詐称の理事長には、お休みなんて贅沢なんです!せいぜい夜中まで働いていただきましょう?ね、郁。」


「くう・・。」
「和希良く寝てるなあ、ああ、俺もなんだか眠くなってきたっちゃよ。」
 不穏な気配を感じもせず、のんきな恋人たちは、甘い時間を過ごすのだった。






いずみんから一言

妹のとうこさまも書いておられたが、みのりさまの作品にはよく
ものを食べる場面が出てくる。
そして今回これの取り込みをしていて、眠っている場面も多く
出てくることに気がついた。
誰かの隣で眠るというのは、よほどの信頼がないとできないくらい
無防備さをさらす行為でもある。
「そんなことは全然関係ない!」とでも言いたげに、みのりさまの
キャラたちはあちこちでよく眠っている。

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