ハロウィン




あああ、10月が終わっちゃいます〜w(・□・)w
なんだか何もやらないうちに、今月が終わった
気がします。
気のせいではないような・・。
今日はハロウィンなのです。なので、啓太君は
魔女っ子に変身。
某魔女の宅○便風。

画 ・ みのり





「か〜ぼちゃ、かぼちゃ。たっぷり、かぼちゃ♪か〜ぼちゃ。か〜ぼちゃ。かぼちゃ、たぁぷりかぼちゃがやってくる♪」(某マヨネーズ会社ののタラコのCM調でどうぞ)
 ドアをあけたとたん、啓太ののんきな歌声が耳に飛び込んできた。
「啓太?」
「あ、和希おかえり〜。ね、ね和希は明日何着るの?」
「なに着るって?ああ、ハロウィンか。」
 そういえば、寮でパーティーするって王様がはりきってたな。
「でも仮装してなんて言ってた?」
「ううん。仮装コンテストがあるんだよ。優勝すると成瀬さんお手製のパンプキンパイがワンホール貰えちゃうんだよ。凄いよね。」
 成程、商品目当てか。
「じゃあ、何か作ろうか?簡単なのならすぐに・・。」
「え?」
「魔女とか、う〜ん。」
「なんで魔女?女装する気なんかないよ!」
「でも可愛いほうが、票が入るんじゃないか?」
 っていうか、単純に見たいだけ。啓太の可愛い魔女っ子スタイル。
「・・・・和希の趣味じゃないのか?それ。」
「まさか。」
 趣味だよ。当然。だって啓太可愛いもん。
「ちぇ、いいよ。コンテストでるのやめる!」
「なんで?」
「和希に変な格好させられそうだから。」
「おや?心外だなあ。」
 ちぇ、ばれたか。ま、いいか今度個人的にやってもらえば。
 皆に可愛い啓太を見せる必要はないよ。うん。
「顔が笑ってるんですけど?和希さん?」
 ぷんと膨れて啓太はベッドの上に座り込むから、くすくす笑って制服を脱ぎつつ
「でも変だよねえ、日本て」
 と口にする。
「へん?」
「そ、だってハロウィンって、今はかなりイベント色が強くなってるけど、一応は宗教行事だからね。日本人の宗教って殆ど仏教か神道の系統だろ?全然関係ない。」
「へえ、ハロウィンって宗教行事なの?」
「そ、ケルト人の宗教行事、万聖節と言ってね、日本で言うお盆にあたるのかなあ?ちょっと乱暴に言えば、そんな感じ?故人を偲ぶ行事だったんだよ。万聖節が11月1日からだから、ハロウィンはその 前夜祭にあたるのかな?」
「それが、なんでお祭りになっちゃったの?」
「さあ、そこまでは知らないけどね、でも日本でも、盆踊りあるだろ?あれだって本当は、生きている人間が死者を弔う為のものだったんだからね、似たようなものだろ?」
「そうなんだ。知らなかった。・・・あ、それで篠宮さんが笑ってたのかぁ。」
「ん?」
「ハロウィンもクリスマスも日本人にはただのお祭りだって笑ってたから。」
「ああ、そうだね。」
「でも、10月は神無月だからいいんだって言ってた。」
「神無月?」
「そう、神様たちがお留守だから良いんだってさ。」
「お留守?」
 ってどこに行ってるんだ?神様たちご一行様は?
「ええと?どこだっけ・・・あ、そうそう、出雲の国の「出雲大社」に日本中のあちらこちらから神様が出向いて、相談事するんだって、それで出雲の国で神様がお祭りするんだってさ。だから出雲の国では10月は神有月って言うんだって。」
「へえ、そうなんだ。」
 知らなかったなあ。あんまりそういうこと興味ないし。
「おもしろいよね。」
「そうだね。」
 あ、そういえばハロウィンといえば・・・あぶない、あぶない。
「啓太?」
「なあに?」
「ひとつだけ約束してくれる?」
「約束?」
「そ、約束。「Trick or treat!」は禁句。いい?」
「え?なんでなんで?それ言うとお菓子もらえるんじゃないの?成瀬さんも七条さんも用意するから部屋に来てねって言ってくれたのに。」
 危ない危ない、やっぱりか。
「だ〜め。「Trick or treat!」なんて言って、部屋に入ったら、「お菓子はあげますけど、いたずらもさせてください。」なんて言われかねないから。」
「いたずらもさせてください?」
 ああ、意味分かってない〜
「そ、こんな風にね。」
 啓太には気の毒だけど、明日のハロウィンパーティーは欠席してもらおう。
「和希?うわっ。」
 笑いながらベッドに押し倒してしまう。
「Trick or treat!」
「え?え?お菓子なんか持ってないってば。」
「じゃあ、いたずらするよ。」
「え?え?ちょっと和希、うわ、脱がすなってば!!」
「俺はお菓子より、啓太のほうがいいなあ。」
「和希ってば!かず・・・ん・・・・。」
 欠席決定。事後承諾だけど。明日は一日部屋に篭って・・それで・・。
「和希!!」
「いたずら、していい?」
 長いなが〜いキスのあと、にっこりと笑って見つめると啓太は真っ赤な顔してうなずいた。
「和希のばか〜。」
「お菓子を持ってない啓太が悪い。」
 お菓子より甘い啓太のキスを盗まれたら大変だからね。他の奴らにチャンスなんか絶対にやらない。
 予防策は万全にしないと・・・ね?

 「Trick or treat!」俺にだけなら言ってもいいよ。







いずみんから一言

ほのぼの馬鹿ップル。……ああ。馬鹿なのは和希だけか(笑)。
ハロウィンを日本に定着させたのは、神戸にある某洋菓子メーカー。
ついでに言えばバレンタインを広めたのも神戸にあるチョコレートメーカーでした。
そのときの苦労話というのは、業界の違う伊住でさえ目にしているので
「遠藤和希」はともかく「鈴菱和希」が知らないはずないと思うのです。
だから早く悪戯がしたくて、「しらない」と言って時間を端折ったんじゃないかなあ?
ねえ。和希さん?

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