まくら



 温かくて、なんだか安心出来て・・・。
 俺は凄く幸せな気分でその中に居たんだ。
「・・・あったかい。」
 なんだか幸せ・・そう思いながら寝返りをうとうとして、気がついた。
「あれ?」
 なんか変。頭の下・・なんか変。
 それに気がついて、ついでにもうひとつ気がついた。
「え?えええっ。」
 気がついて、慌ててがばっと起き上がると、裸の中嶋さんが隣に眠っていたから、慌ててしまった。
「な、中嶋さん!!なんでいるんですか?」
 悲鳴に近い声で、中嶋さんの名前を呼ぶと、不機嫌そうに目を開けて。
「うるさい。」
 そう一言言って、中嶋さんはまた目を瞑ってしまった。 
「いつ部屋に来たんですか?」
 そう言えば、夜中に酔っ払った中嶋さんが部屋に来たような気がする。そうして「部屋に戻るのが面倒だ・・。」とかなんとか言いながら、ベッドにもぐりこんできた気が・・・する。
「寒い。」
「あ、すみません。・・・あ。」
 毛布をはいだままなのを思い出し、中嶋さんの体にかけながら、伸ばされたままの左腕を見つめる。
 温かかったはずだ。中嶋さんの腕を枕にして、俺ぐうぐう寝てたんだから、温かくって幸せで当たり前だ。
「啓太。」
「は、はい。」
「起きるのか?」
「いえ、寝ます。」
 恐る恐る毛布にもぐりこむと、腕はそのままの状態で、俺は嬉しくって、へへへと笑ってしまった。
「・・・中嶋さん?」
「ん?」
「おやすみなさい。」
 まだ、夜が明けない。それに明日は休みだし、ゆっくり眠ってていいはずだ。
「・・・。」
 返事もしないし、微妙にお酒臭かったりするけど、でも腕の中は温かくて、そしてやっぱり幸せだったりして。
「へへ。大好き。」
 聞こえないようにそっと囁いて、そうして目を閉じた。

 温かい・・。安心できる温かさ。ちょっと照れるけど、でも幸せ。
 特別なプレゼントを貰ったような気持ちで、俺は深い眠りの中に落ちていった。

                     Fin
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前の日記で書いていた、連載予定のクリスマスの話とは違うんですが、ちょっと思いついたので、
書いてしまいました。
中嶋さんが腕枕・・・啓太君より書いてる私が照れます。
酔っ払った中嶋さんは、啓太君を抱き枕状態にして寝ていた模様・・(いいなあ・・啓太君。)なんて、
ちょっと甘すぎでしょうか?まあ、いいや。今年の中啓は極甘がテーマだ!(え?)
(2006/01/18(日)の日記に掲載)





いずみんから一言

最近になって拍手に入っているのに気がついた。
いつの間に入っていたんだっけと、ちょっと首をひねってみたりしたいる。

そういう目で見る所為か、すでに体調の悪さが出てしまっている。
そんな頃の日記で書かれた作品。
このときにもっと突っこんだ検査ができていたら、と、思っても仕方のないことを
それでも思ってしまう自分がいる。
せめて、このお話のように、安心できる暖かさの中で眠っていて欲しいと思う。

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