心理テスト再び(中啓編)



 

「寝てる時に携帯電話がなったらどうしますか?」
「え?携帯ですか?ううん?相手を見てから考えます〜♪」
「へえ?(ニヤリ)そうなんですか?」
「え?なんですか?私変な事言いましたか?」
「それってね、ベッドで相手に求められた時の反応らしいですよ。」
「え?ええ?」
「●●さんは相手をみて考えるんですか〜へええ?」
「え・・そ、そんな・・・。ええ。」・・・・・
 深夜番組ってくだらないよなあって思ってたけど、良いこと教えてもらっちゃったよ。
 へへへ。明日聞いてみよっと。

「中嶋さん。寝てる時に携帯電話が鳴ったらどうしますか?」
 俺からだったら、出るって言ってくれるかな?無理?
「寝る時に携帯を切ってることぐらい知ってるだろう?」
 ああっ。そうだった。
「電話、急な用事とか掛かってくるかも、とか思わないですか?」
「あっても留守電にいれるだろう?
 自分が寝てる時に何かに邪魔される事程不愉快なものは無い。」
・・・・それって、自分がしたいときに邪魔されるのは、絶対嫌って事?
 ううう。心理テストって本当に良く当たるよなあ。
「だいたいなにをくだらない事を聞いてるんだ。」
「いえ、中嶋さん俺からの電話だったら出てくれるのかなって・・・。」
 だったら良いなって思ってただけなんだけど。
「莫迦らしい。お前から電話が掛かってくる?隣に寝てるくせに。
 だいたい、携帯には起こされた事ないが、お前の寝言では何回も起こされてるんだぞ?」
「え?」
 それって、それって・・。
 一寸嬉しいかも。へへへ心理テスト勉強しちゃおっかな。
「変な奴だな。」
 急にニコニコし始めた俺に、中嶋さんは不思議そうな顔をしていた。

 週末、[誰でもこれで心理学者!心理テスト決定版]って本を俺がこっそり買ったって言うのは中嶋さんには内緒。





いずみんから一言

携帯電話は、文字通り「外に出かけるときにもって出る電話」でしかなかった
伊住が、みのりさまの最期の数日間は電源入れっぱなしで、常に手の届く
ところに置いていた。仕事中も。寝ているときも。
いつお花が欲しいと言われてもいいように。いつお見舞いに来ていいと言われても
すぐ行動に移せるように。
息が詰まるような数日間のあと、届いたのはどちらでもなく。
とてもとても悲しいお知らせだった。
いまでもあの数日のことを思い出すと涙が止まらなくなる。

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