魔法の言葉 〜拍手用ノートより〜



 和希なんか嫌いだよぉ。と笑いながら啓太は俺に抱きついてくる。

 嫌いだよ。
 大人の顔してすましてるの。
 俺の知らない顔してさ、厳しい顔して仕事してる時の顔嫌い。

 無邪気な顔して笑いながら言う。
 俺の好きな顔で、笑いながらそんな風に言うから、俺はちょっと傷ついてしまう。
「嫌われたら悲しいよ?啓太。」
 他の誰に何を思われても平気だけど、啓太に嫌われたら生きていけない。
「・・・・なんで嫌いなの?」

 年が離れてるから?
 仕事が忙しすぎるから?
 それとも、それとも・・・。

 啓太の前だと俺は愚かなただの男になってしまう。
 自信も何も無いただの男。

 嫌われるのは悲しいよ。
 大好きだから悲しいよ。

「だって格好良いんだもん。和希大人で格好良いんだもん。」
「え?」
 返ってきたのは予想もつかない言葉で、俺は茫然と啓太を見てしまう。
「仕事の時の和希はね。
 格好良過ぎて照れるから嫌い。
・・・大人過ぎて、緊張するから・・嫌いだよ。」
「格好良い?」
 啓太俺のことそんな風に思ってたんだ。
「格好良いよ。仕事してるときの和希はね、すっごく格好良い。
 だからね、嫌い。大好きだけど、嫌い。」
 これって甘えてるんだよね?
 ったく、啓太可愛いなあ。
「じゃあ、仕事しないで啓太にずっとくっついてようか?」
「そんな和希は大嫌い。」
 くすくす笑いは、甘いキスに変わる。

 啓太の言葉に俺は簡単に振り回されてしまう。
 子供みたいに一喜一憂、振り回されてしまう。
「でもね?キスしてくれる和希は大好き。」
 ほら、こんな言葉に単純に嬉しくなる。
 啓太の笑顔が幸せをくれる。
「じゃあ沢山キスしなきゃ。」
 笑いながら啓太の頬に額に、唇を押し付ける。
「俺の事好き?」
「和希は?好き?」
「好きだよ。」
 好き過ぎて変になりそう。
 狂いそうだよ好き過ぎて。
 啓太が居なきゃ生きてる意味が無い。
 大人だから言わないけどね。
 思ってても言わないけどね。
「ふうん?」
 ふうん?てさ他に言葉は無いんでしょうか?
「でもね知ってた?和希。俺の方が好きだよ?きっとね。」
「へ?」
「へへへ。だーいすき。知ってた?俺ね世界中で一番和希の事が好き。」
 そんな事急に言われたら困るよ心の準備が出来て無い。
 ・・・・・やばいよ。顔がにやけてしまう。
「俺もだよ。誰よりも啓太の事が好き。」
 
 不思議だよね?
 啓太の言葉は簡単に俺を傷つける。
 だけど不思議だよね?
 啓太の言葉はすぐに俺を幸せにする。
  
「和希・・・大好き。」
 ほらね?幸せになる。
 
 
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(拍手用ノート)より
昨日の和啓の次のページに書いてあったものですがこれは日付が無かったのでもしかしたら完成していないのかもしれませんが判断がつかなかったので一応載せてみました。

和啓のテーマは(まわりが呆れる位のバカップル)と設定用のノートに書いてありましたが本当にそんな感じだなと思います。





いずみんから一言

ああ。本当にバカップルな話だなあ。
そう思うと涙よりも笑いがこぼれ落ちる。
みのりさまの書く和啓の啓太はとても可愛い。
どのサイトのどの作者の作品よりも。
可愛くて強気で。そして読者までをも幸せにする。

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