カップリングなりきり100の質問 | |
成瀬・和希編 | |
質問ご提供は BIANCA さま |
新入生を迎えた入学式が終わり、どことなく据わりの悪かった学園内の雰囲気も、ようやくそれぞれの場所に落ち着いてきたきたようにみえはじめた頃。理事長室で仕事をしていた和希に明日の予定を告げていた石塚は、最後に1枚の封筒を差し出した。 「それと……。このような手紙が来ておりました。もしお断りになるようでしたら、明日にでもお返し下さい。こちらで処理いたします」 「わかった」 その場でざっと目を通した和希は、その封筒を上着の内ポケットに入れた。あとでゆっくり読み直すためだった。 寮に戻った和希はその足で1階上にあがり、啓太の部屋をノックした。学生会長を引き継いだ啓太は、今は前副会長だった中嶋が使っていた部屋にいるのだ。 「啓太? 今いいかな」 「うん。どうぞ」 啓太に使わせるよう、中嶋は自分で持ち込んでいた家具をかなり置いて卒業した。配置ももちろんそのままである。だが住人が変わった所為か、その頃のおもかげは微塵も感じられなかった。これが同じ部屋かと思うくらい雰囲気が明るく変わっている。だがそんなことにはまるで気づいていない現住人は、にこにこしながら和希を迎え入れた。 「ごめんな。課題で忙しいかと思ったんだけど」 「うん。平気。ちょうど宿題おわったとこだし」 「そっか」 そう言うと和希は小さな応接セットに腰をおろした。 「あのさ。こんな手紙が来たんだ」 「『 遠藤和希様へ 100の質問事務局 』……?」 それは先刻、石塚に手渡されたものだった。 「何、これ?」 「うーん。ようするに、カップルにインタビューしたいってことらしいんだ。だけどほら。俺って恋人いないし。立場が立場だろ? 誰かとつきあってるフリするったって、なあ?」 「あはは。そうだね」 「でさ。相談なんだけど。啓太。おまえ、俺と恋人のフリしてくれない? 『 いない 』って言うのもなんか悔しくってさ」 「え? 俺?」 「おまえには中嶋さんって人がいるのはわかってるよ。だけどほかの誰にもこんなこと頼めなくって」 「……中嶋さんがいいって言ったら、でいい?」 「いい、いい。頼むよ。聞いてくれるだけでもいいから。なっ?」 そしてGWも明けたとある土曜日の午後。BL学園応接室では、和希と啓太が質問者を待っていた。 やがて定刻。きっちりその時間にノックの音がし、ドアが開いた。 「待たせたな」 「中嶋さん?」 なんとドアを開けて現れたのは啓太の恋人、中嶋英明その人だったのである。 「どうしてここに?」 「ただのバイトだ。ちょっと気になることがあって事務局に問合せをいれたら、そのままインタビューを頼まれた」 そう言って中嶋は隣の席に移ってきた啓太を抱き寄せた。口元に浮かぶ薄い笑みは、仔犬のように体を預けてくる啓太にではなく、その向うにいる和希の方に向けられたものだった。 「そうだったんですね〜。俺、嘘つくの苦手だから、ばれたらどうしようかって、ずっとどきどきしてたんです。だから中嶋さんが来てくれて……。えへへ。なんだか安心しちゃった」 幸せそうな笑顔を見せる啓太と対照的に、和希は苦虫を噛みつぶしたような表情になっていた。 「それにしたって……」 「ふん。どうせ啓太が俺とのことを大っぴらにしてないのをいいことに、このインタビューで学園内の公認を勝ち取ろうとしたんだろうが……」 「そ、そんなことは……」 「考えもしなかったとは言わせない。おかしいと思って事務局へ問い合わせたら、依頼文は無記名で送ったと言っていた。ならなぜ、啓太が送ってきたpdfには『 遠藤和希様 』と宛名が書いてあったんだろう。なあ? 遠藤?」 「か……和希?」 「…………」 あまりにも図星だったので、和希は返答の仕様もない。不安そうに自分と和希の顔を見比べる啓太の眼を十分に意識しながら、中嶋は「だが」と言葉をつづけた。 「おまえは単に『 誰かと恋人のフリをして一緒にインタビューを受けてみたかった 』だけなんだろう?」 「……よくお分かりですね。俺だってたまには高校生っぽいことをしてみたかったんですよ」 誘導尋問だとはわかっていた。わかってはいたが、啓太の信頼を失わないために、和希には肯定することしかできなかったのだ。裏切られたのではないとわかってほっとしたような笑みをみせる啓太に、「あわよくば」と思っていた和希の心の奥がみしりと鳴った。 「ということで、だ。おまえの願望を満たし、尚且つ相手の願望も満たす、両者一得の相手を呼んである」 「え!?」 「10分差をつけて呼んでおいたから、もう来るはずだが……」 思わず、といった感じで、啓太と和希がドアの方を見た。そのとき。軽くやわらかなノックの音とともに、金色の髪が現れた。 ![]() 成瀬「あれ? 時間どおりに来たつもりだったんだけど……。遅れちゃったかな?」 啓太・和希「成瀬さん!?」 中嶋「いや。時間どおりだ」 成瀬「よかった。僕の大事なハニーを待たせちゃってたら、どうしようかと思ったよ」 和希「でもどうして成瀬さんが……」 成瀬「嫌だなあ。僕が遠藤のことを好きでしかたがないから、に決まってるだろう?」 和希「決まってるってそんなにこやかに言われても……。だいたい貴方は啓太のことが……」 成瀬「気づいてなかったのかい? 僕は君の前でしか啓太を口説いたことはないんだよ。君も きっちり反応してくれてたじゃないか」 中嶋「いっそあっぱれなくらい分かりやすかったな。ふたりとも」 啓太「えっ? そう……でしたっけ……?」 中嶋「おまえな……(タメイキ)。俺と一緒にいて、遠藤が割り込んできたことがあったか? 引き離そうとされたことは?」 啓太「……そう言えばないかも……」 中嶋「成瀬がちょっかい出してきたことは?」 啓太「……ない……、かな?」 中嶋「ほらみろ。そういうことだ」 啓太「そっか……! それで俺が1人のときはすれ違っても『今日はひとり? お友達くんは?』 っていう程度だったんですねっ」 中嶋「そこまでされていて気づかないおまえもかなりにぶいと思うが」 啓太「えへへ……」 和希「ま、待て。だけどこの間だってファンクラブの会報用に『 犬猿の仲対談(註) 』ってのを したじゃないですか」 成瀬「馬鹿だね。僕が君と話すチャンスを逃すと思うかい?」 和希「……」 成瀬「それに君だって……」 和希「俺が? 何を……?」 成瀬「本当に嫌だったら、いくらファンクラブの企画だって断ったはずだよ? でも君は受けた。 これって、ちょっとは望みがあるってことじゃないのかな?」 和希「そ、それは……」 成瀬「気がついて……。君の本当の心に」 啓太「(うわ! 真顔で全開モードだよ。まじラブ・ファイターだよ。これ見たら俺へのアプローチ なんて子供のあそびだよーーっ!)」 成瀬「そこに僕がいないって、本当に言える……?」 和希「いや……。だから……」 成瀬「『 犬猿の仲対談 』で言ってくれたろう? 『 第一印象は、目立つ人だなと思った 』、って。 どれだけうれしかったか、きっと君には想像もつかないと思うよ」 和希「えっと、あれは……」 成瀬「あれは。何?」 和希「だから、えっと、あれは……」 啓太「和希!」 和希「何か答えなきゃと思って……」 啓太「和希。ってば!」 和希「え? あ。何? 啓太」 啓太「何ぐずぐず言ってんだよ。どうせ俺とだって『 なんちゃって対談 』のつもりだったんだろ?」 和希「(なんちゃって対談? (憮然))」 中嶋「(なんちゃって対談、だと? (黒笑))」 啓太「だったら相手が成瀬さんだってかまわないじゃないか」 和希「(かまう! むちゃくちゃかまうぞっ、啓太!)」 成瀬「啓太はいいこと言うね〜(にっこり)」 啓太「成瀬さんはかまわないんですね?」 成瀬「もちろんだよ。なんちゃってでも何でも、まずは語り合うところからはじめないとね」 啓太「じゃあオッケーということで」 和希「おい、待て啓太っ!」 啓太「何?」 和希「俺の意見は無視かよっ。当事者だぞっ」 啓太「え〜? ダメなの?」 中嶋「こらこら。そんなに無理を言って遠藤を困らせるんじゃない」 啓太「え……? あ、はい……」← 中嶋の役に立とうと張り切ってたので、思わぬカウンター くらってしょんぼり(笑) 和希「お?(何だ? この突然の物わかりの良さは……)」← 警戒警報発令(笑) 中嶋「この対談を成瀬でセッティングしたのは俺だ。嫌なら嫌でかまわない。俺の方で事務局に 連絡して正式に断ろう」 和希「それはとても有難い申し出ですけど、具体的にどうするつもりです?」← 疑心暗鬼(笑) 中嶋「なに。正直に伝えるだけだ。『遠藤和希はこの対談に応じる資格がないということが判明 しましたので、対談をとりやめました』とな(にやり)」 ↑ これ以上ぐずぐず言うと正体をばらすぞ、と言外の圧力(笑) 和希「……っ!」← いきなり降ってきたミサイルの雨に絶句(笑) 成瀬「資格がない? どういうこと?」 和希「そっ、そりゃ確かに『カップリング対談』なのに恋人同士じゃないのは資格がないわけです けどっ(焦)」← 正体やら年齢やら。ばらされたら困るモノがありすぎて、必死に中身を すりかえようとする(笑) 中嶋「それが恥ずかしいと思うなら、成瀬との対談をうけることだな」 ↑ 拒否できるものならやってみろと言わんばかりの黒笑 和希「…………それは、承諾するしかない、ということですね」 啓太「え? じゃあオッケーなんだな♪ よかったですねっ、成瀬さん!」← 無邪気に喜ぶ(笑) 成瀬「啓太のおかげだよ。有難う!」 啓太「どういたしまして。中嶋さんのお役にもたてたし、良かったです」 成瀬「おかげついでに、って言えば何だけど。ひとつお願いしてもいいかな」 啓太「お願い……、ですか?」 成瀬「うん。このまま啓太にインタビューをして欲しいんだ。中嶋さんが悪いっていう訳じゃない よ?でも啓太の方が場が和んでいいと思うんだよ」 啓太「俺はもちろんかまいませんけど……。(中嶋に)かまわないですか? 俺がやっても」 中嶋「ああ。事務局は質問の答えが取れればいいんだ。聞いたのが誰かなんて、気にもしない だろうよ」 啓太「じゃあかなり時間をロスしちゃったんで。早速、質問いきまぁ〜す!」 註:2006〜7年に、1年間限定の「ベルリバティ サポーターズクラブ」という公式ファンクラブ がありました。犬猿の仲対談は会報のAに収録されています。 ![]() ―― 1 〜 50 ―― と き : 5月第2日曜 ところ : BL学園 応接室 1 あなたの名前を教えてください 成瀬「成瀬由紀彦」 和希「遠藤和希」」 2 年齢は? 成瀬「17だよ」 和希「16」 中嶋「ほぉ……(冷笑)」 3 性別は? 成瀬「へえ? 面白いね。こんな質問まであるんだ?」 啓太「そうみたいですね」 成瀬「こんなのもいちいち答える訳?」 啓太「(設問の用紙をめくりながら)えーっと……。一応お願いします。俺、ちょっとよくわからなく って」 成瀬「ごめんごめん。啓太は質問に答えるつもりで来てたんだったね。じゃあ今更な気もする けど、男」 和希「俺も」 啓太「和希ぃ……。なんか投げやりだよ?」 和希「(当たり前だろっ。わざわざ時間作ってセッティングしたのは、啓太とカップルって思って もらえると考えたからなんだぞっ? それを何が悲しくて成瀬くんと答えなきゃいけないん だよ。しかも質問者が啓太だぞ? 中嶋がそこで見張ってるんだぞ? 踏んだり蹴ったり ってこのことじゃないか。投げやりにもなるだろう。フツー)」 4 貴方の性格は? 成瀬「うーん。どうかなあ。お世辞にも真面目とは言えないけど(笑)、そうひどくもないと思うよ。 一言で言えば「一途」かな?」 啓太「ああ。言われてみればそんな感じですねっ。テニス一途。恋にも一途(笑)」 成瀬「そうそう。どれも全力投球って言うか渾身のスマッシュ(笑)」 啓太「じゃあ和希はどう? 自分の性格」 和希「真面目。って言うか、手抜きができない? 自分で言うのも何だけど、緻密なところもある と思う」 啓太「和希の編んでくれるセーターってホントすごいもんな。あれって緻密だよ。どうやったら 1本の毛糸があんなになるのか、魔法でも見てるみたいな気がした(笑)」 成瀬「そうなの?」 啓太「はい。すごいんです。転校してきてわりとすぐだったかな? まだ和希のほかにはあんまり 親しい友達ってのもいなかったんで、30分くらいじっと見てたことがあるんですけど、結局 何が何だかわからなかった(笑)」 成瀬「へえ? 僕も見てみたいね。……(耳元で囁くように)僕のセーターを編んでくれてるところ をさ」 和希「(無視)」 啓太「和希ってば……(困惑)」 5 相手の性格は? 成瀬「控え目、かな? あまり目立つタイプじゃないもんね。でも目立たないようでいて時々、はっ とするような表情を見せてる時があるんだよ。あれにやられちゃった」 啓太「なるほど〜。(うーん。見抜いてるよ。成瀬さん、すごい)和希は? 今度はさっきみたいに 無視はナシだからなっ」 和希「分かったよ。えーっと、陽気なところは認めます。でもじつは見た目ほどじゃないかもしれ ないと思ってます」 啓太「どういうこと?」 和希「うん? 陽気に見せてるだけっていうのかな。見た目はこんなだけど、本当は真面目で 落ち着いてるんじゃないかな、と思ったりしてる」 成瀬「……すごいね」 和希「……は?」 成瀬「すごいねって言ったんだよ。僕のことをそんなふうに見てくれたのは、両親だけだったから ね。遠藤っていつの間にそこまで見ててくれたんだい?」 和希「い、いつの間に……って言われても。ただちょっとそう思っただけで……」 啓太「ようするに、成瀬さんも和希も、お互いのことをちゃんと見てた、ってことだねっ」 和希「そんなトコでうまくまとめるなあっ」 6 二人の出会いはいつ?どこで? 和希「忘れた。っていうかいつの間にか」 啓太「つれないなあ(苦笑)」 和希「(しかたないだろ。書類選考に残ったから試合を見に行った、なんて、ここで言えるかよ。 最初のサーブがすごいパワーで、あれで一気に試合に引き込まれたんだった。叩き落す みたいなボレーも見てておもしろかったしな。だからといってブンブン丸じゃなくて、たまに あげる気の抜けたみたいなロブがなかなか……。そういやあの頃から金髪だったな。今 ほど長くはなかったけど。)」← 結構ちゃんと見ている(笑) 啓太「えーっと。和希があんななんで……。成瀬さんはどうですか?」 成瀬「入学式のときに出会ってるはずなんだけど、残念ながらそのときの印象はないんだ。 だから遠藤の存在に気がついたのは、その後のクラブ見学のとき、だったかな。他の新 入生たちの間に紛れ込むみたいな感じで立ってたのが、かえって目を惹いた」 和希「(しまった。逆効果だったか……汗)」 啓太「へえ? それで? どうしたんですか」 成瀬「うん。それでね、声をかけたんだよ。『君は? 入部してくれないのかい?』ってね。もちろ ん即座に断られちゃった(笑)」 7 相手の第一印象は? 啓太「和希はさっきの『目立つ人だなと思った』でいい? 何か付け足したりする?」 和希「いや。そのままでいい。(ホントはこれなら入学させてもいいなと思った、だけどな)」 成瀬「僕はね、何者だろう、って思った(笑)」 啓太「それが声をかけた理由ですか?(笑)」 和希「(ああ。そうだよな。それで何だってこの人は俺に声かけてきたんだ? 口から心臓が飛び 出すか、ってくらい驚いたんだぞ?)」 成瀬「うん、そう」 和希「それにしても『 何者 』はないんじゃないですか?」 ← かなりむっときている(笑) 成瀬「そうでもないんじゃないかな。運動部の部長あたりはみんな目に止めてたと思うよ?」 啓太「えっ? それはどうしてですか?」 成瀬「1年生で、しかも体育会系の入学じゃないのに、きれいに筋肉がついてたからね。そりゃ あ会長や副会長みたいな人もたまにはいるけど、でもそういう人たちは基本的にスポーツ をやってるだろ? だけど遠藤はぜんぜんそんな感じじゃないのに体がほぼできあがっ ていた」 啓太「(それって、バレバレってことなんじゃ……(汗))」 和希「(…………汗)」 8 相手のどんなところが好き? 成瀬「さっきも言ったけど、目立たない場所でびっくりするくらい凛とするところかな。そのときの 表情がなんと言うか……。ぞくっとするくらいきれいんだ」 啓太「へえ〜。きれいなんだぁ」 和希「啓太……。マトモに聞くなよ? この人の目が腐ってるだけだからな?」 成瀬「そんなことない。僕だってそれなりに人を見る眼くらいあるつもりだよ? 啓太はどう? そんな遠藤を見たことない?」 啓太「う〜ん。あると言えばあるような気もするし……。(理事長バージョンの和希ってあんまり見 ないからなあ……。和兄バージョンならよく見るけど)」 成瀬「本当は秘密にしておきたいところだけど、啓太は今日、セッティングしてくれた功労者だか らね。おすすめポイントを教えてあげようか(笑)」 啓太「是非お願いします(笑)」 和希「聞くなよ、啓太あっ(涙)」 啓太「(小声で)そう? でも聞いといたら、今度から見られないように気をつけられない?」 和希「う……(それもそうか……?)」 成瀬「まず校舎裏。眉をひそめて何か深刻そうな電話をしてる場合が多いね。ちょっと近寄りが たいっていうか邪魔できない雰囲気があるけど、それがなかなか(笑)」 和希「(当たり前だろ。離れる余裕がないからそんな近くで話してるんだ。それだけせっぱつまっ た状況だってことなんだよっ)」 成瀬「あと、歩きながらメールをしてるときかな。これもやっぱり外の方が多いね。でも校舎裏の ときとは違って、こっちは何て言うか……。そう、不敵な、って感じかな。獲物を追い詰め るハンターみたいな感じで、ちょっと楽しそうなんだよ」 和希「(メールもやめた方がいいか……。汗)」 啓太「へえ〜っ(感心)。今度、気をつけて見てみます」 成瀬「うん。そうして(笑)。でもあげないよ。先に気付いた僕の方に優先権はあるから」 啓太「大丈夫ですっ。俺、中嶋さん一筋ですから(真剣!)」 成瀬「うん。啓太はいい子だね(笑)。……それで?」 啓太「それで?」 成瀬「いや。だから遠藤は、僕のどんなところが好きなのかな? って」 和希「……なんだか誘導尋問のような気がするのでノー・コメント」 9 相手のどんなところが嫌い? 和希「臆面もなく『 僕のどんなところが好き? 』なんて聞いてくるところっ!」 啓太「なんか突然、積極的に答えたな」 成瀬「周囲に壁を作ってるところ、かな。遠藤を見てると、たまに周り全部が敵だと思ってるんじ ゃないかって思うときがある。七条とはまた違った意味でね」 和希「(うっ……。どうしてこの人はこんなところが鋭いんだよっ)」 成瀬「あ。でも最近はあんまりそんなこともないから安心していいよ?」 啓太「(やっぱり成瀬さんて和希のこと、よく見てるんだなあ)」 10 貴方と相手の相性はいいと思う? 成瀬「いいと思うよ。絶対にね」 和希「ちょ……っと。何でそんなこと勝手に決めるんです!?」 成瀬「うん? じゃあ試してみない? 一晩一緒に過ごせば、きっといろんなことがよく分かると思 うんだ」 和希「丁重にお断り申しあげますっ」 啓太「ダメだっていうのは勝手に決めちゃうんだ……」 11 相手のことを何で呼んでる? 成瀬「遠藤、とか。啓太のお友達くんとか、かな」 遠藤「成瀬さん」 成瀬「こうやって答えちゃうと、愛想も何もない呼び方してるよね(苦笑)」 啓太「そうですね。ちょっと寂しいかも」 成瀬「啓太もそう思う?」 啓太「はい」 和希「啓太? おまえ他人のこと言っていいのか?」 啓太「なんで? 俺、なんか変なこと言ったか?」 和希「おまえと中嶋さんはなんて呼び合ってるんだよ」 啓太「『中嶋さん』と『啓太』」 和希「それは? 愛想のある呼び方なのか?」← ちょっとトゲがある(苦笑) 成瀬「愛想かと言われると、確かに微妙なのかな」 啓太「うーん。愛想はないかもな。だけど『無難』ではあるから」 和希「無難?」 啓太「たとえば中嶋さんが俺を『伊藤』って呼んでるんだったら確かに愛想はないけど……。 でも『俺の可愛い仔犬ちゃん』って呼んだら不気味じゃない?」 和希「……確かに、そう言われれば……」 成瀬「偽物だね(苦笑)」 啓太「な? 『啓太』で十分だろう?」 和希「まあ……。『啓太』に関しちゃな」← しぶしぶ(笑) 啓太「で。俺が中嶋さんをファーストネームなんて呼んだりしたら」 和希「したら?」 啓太「幸せで倒れちゃうかも……(赤幸赤)」 成瀬「まあ……。倒れるよりは、確かに無難かな(苦笑)」 12 相手に何て呼ばれたい? 成瀬「それはまあ『由紀彦』とか『ダーリン』とか(笑)」 和希「誰が『ダーリン』なんですよ、誰がっ」 成瀬「うん。最初はやっぱり抵抗あるよね? だから今はまだ『成瀬さん』でいいから、ふたりきり の時に……」 和希「呼びませんっ!」 啓太「つれないなあ……」 和希「誰がっ」 成瀬「まあまあ啓太。その分、呼んでもらえたときの感動が大きくなるから(苦笑)」 啓太「なるほど。感動の積立預金ですねっ」 成瀬「利息は元本組み入れ、半年複利でね(笑)」 和希「そんなの元本割れで十分だっ」 13 相手を動物に例えたら何? 成瀬「何だろう。ネコ系だとは思うんだけど。いるだろ? なんだかすごく上品ですました顔してる の。あれ」 啓太「ああ、いますよね。そんなの。って、和希の家にもいたとかって聞いたけど。なんだっけ」 和希「サーバル・キャットだよ。まだいるけどな」 成瀬「へえ……? 見に行きたいなあ。どんなネコだろう」 啓太「和希、写真とかもってないの?」 和希「ない(ホントはあるけど。王様をネコ恐怖症に陥れたネコだってばれるとまずいしな)」 中嶋「俺は知ってるぞ」 ← 和希のほうをみてにやりと笑う。 和希「う……(冷汗)」 啓太「え? ホントですかあっ?」 中嶋「豹のようなブチがあって、体長が1m ほどになる割には体重が20キロ弱程度。そのスレ ンダーな体型と細長い四肢、小さな頭から『砂漠のスーパー・モデル』と呼ばれている」 啓太「へえ〜っ。なんだか和希みたいだな」 成瀬「ペットは飼い主に似るっていうしね(笑)。この質問、意外と面白いよ」 啓太「じゃあ和希にも聞いてみよう。成瀬さんは何に例えられる?」 和希「ゴールデン・レトリバー?」 啓太「金色でしっぽがあるから?」 和希「うん」 成瀬「(苦笑)」 14 相手にプレゼントをあげるとしたら何をあげる? 成瀬「僕の愛(笑)」 啓太「さすがです! 成瀬さん」 成瀬「やっぱりこうじゃないとね(笑)」 啓太「偽物になっちゃいますよね?」 和希「……啓太? おまえだんだん成瀬さん寄りになってるぞ?」 啓太「え〜? そんなことないよ」 成瀬「ないない(笑)」 15 プレゼントをもらうとしたら何がほしい? 成瀬「時間、かな。今は何より、一緒にいる時間が欲しい。そうしたら僕のことを理解してもらう チャンスができるだろう? 今のままじゃ取り付く島もないって言うかね(苦笑)」 啓太「そうですね」 和希「おい、啓太……。おまえやっぱり成瀬さん贔屓になってるって」 啓太「って言うかさ。俺、和希にも幸せになって欲しいんだよ」 和希「……は?」 啓太「だって俺だけ中嶋さんと付き合っちゃって……。和希は俺の大事な親友だし、中嶋さんと 出会えた恩人でもあるだろ? だから和希にも幸せになってもらいたいって、ずっと思って たんだ」 和希「だからそれと成瀬さんがどう結びつくんだよっ?」 中嶋「(報われんな、遠藤も)」←満足そうなにやにや笑い。 16 相手に対して不満はある?それはどんなこと? 成瀬「僕の愛に気づこうとしてくれないこと(苦笑)。まあ正確には、そのチャンスさえ与えて貰え ないこと、かな。もちろん、最大限の努力は続けるけどね」 啓太「がんばって下さいねっ! で? 和希は?」 和希「愛を押し売りしてくるところ」 成瀬「……ふーん?」 和希「な、なんですかっ。そんな目で見ても……」 成瀬「いいんだ?」 和希「だから何を……」 成瀬「押し売り。しに行っても」 和希「ち、違……っ」 成瀬「聞いたよね、啓太も」 啓太「いや、聞いたっていうか。聞いてないっていうか……。全然そんなこと言ってなかった 気がするんですけど……」 中嶋「それはおまえの思い違いだ。俺はこの耳ではっきり聞いたぞ(にやり)」 啓太「そうでしたっけ?」 中嶋「そうだ。おまえはあの程度で成瀬が 『愛を押し売りしている』 と思うか? 世間一般なら そうかもしれない。だが成瀬と一般人を一緒にできるのか?」 啓太「(お手手をポン・笑)そっか! 成瀬さん基準にすれば、あんなのまだまだですっ!」 成瀬「待っててね、和希。押し売りできるくらい本腰入れてアタックするから!」 中嶋「(にやり)」 和希「……(泣)……」 17 貴方の癖って何? 和希「癖? そんなのあったかな……」 成瀬「好きになったら相手に尽くす、っていうのは……」 和希「(冷たい目で成瀬を見る)」 成瀬「(和希の目に苦笑しながら)癖じゃないね。はい(苦笑)」 18 相手の癖って何? 成瀬「都合が悪くなったりすると、ほっぺたをぽりぽりやってるね」 和希「やってませんよ、そんなこと」 啓太「え? やってるよ?」 中嶋「やってるな」 和希「……う゛〜……」 19 相手のすること(癖など)でされて嫌なことは? 和希「相手の意見も聞かずに自分の主張だけすること」 啓太「それって……。さっきの 『愛の押し売り』 ってのを言い換えただけ?」 和希「さあ?」← 拗ねてるのかちょっとツンツンしている(笑)。 中嶋「(言質を取られると分れば二度と同じ間違いはしない、か。さすがは経営者だな)」 啓太「成瀬さんは? 何かないですか」 成瀬「うん? ないよ、別にね」 啓太「そうなんですか? 話をちゃんと聞いてくれなかったりして嫌じゃないですか?」 成瀬「嫌ではないよ。寂しかったり、悲しかったりはするけどね」 啓太「成瀬さん……(うるうる)。俺……。俺、思いっきり応援してますからっ!」 成瀬「有難う。啓太にそう言ってもらえると心強いよ」 和希「はあぁ〜っ。(ため息をつきつつ、ぼそっと中嶋に)なんか……。あれ見てると、さっき言っ てた 『啓太には本気じゃなかった』 っていうの。アレが本当だってよく分かります」 中嶋「ああ。あの程度でさえ見事なまでに、成瀬の術中にはまってしまっているからな。成瀬が 本気で口説けば、わずか10秒で落ちただろうよ」 20 貴方のすること(癖など)で相手が怒ることは何? 和希「ないだろ? そもそも接点がないんだし(冷)」 成瀬「うん。ないよね〜」 和希・啓太「え!?」 和希「いや、怒ってるでしょうっ! あれとかこれとかでっ!」 成瀬「うん。遠藤は怒りんぼさんだからね(苦笑)」 和希「だったら……」 成瀬「だけど愛の押し売りは 『癖』 じゃないんだろ? だからこの質問の答えにはあてはまらな いよ(爽笑)」 和希「啓太っ!」 啓太「な、なんだよ。和希。驚くじゃないか」 和希「今の質問。『癖』 に限定してるか!」 啓太「(もう……。何で突然キレるかなあ……)えと……。えと。『カッコ 癖など カッコ閉じる』 だから、癖には限定してないと思う……」 和希「わかりました? 癖には限定されてないんですっ。つまり……」 中嶋「おい、遠藤」← 少々お怒りモード。 和希「なっ……、何なんです。いきなり」← お怒りモードに気づいてびびり気味(笑)。 中嶋「揚げ足を取るようで悪いがな。『そもそも接点がない』 んだろう。なら成瀬のすることで おまえが腹を立てることもないんじゃないのか」 和希「あ? うん。うん、そうだな。そうだそうだ。啓太? 次の質問いくぞ?」 成瀬「(あ〜あ。怒ってるよ。あんなきつい声出すから、啓太をいじめたと思われたんだ……)」 和希「(しまった。地雷原はこっちにあったんだ……。汗)」 21 二人はどこまでの関係? 成瀬「これから、だよね」 和希「ここまでですっ。こ・こ・ま・で!」 22 二人の初デートはどこ? 成瀬「どこ行こう。どこがいい?」 和希「勝手にどこでもいってください」 成瀬「水族館とかプラネタリウムとかいいよね」← 和希は無視(笑) 啓太「いいですねえ」 成瀬「ああいうところって、ただ眺めてるだけでも心が癒されるしね」 和希「(そう……なのか?)」← じつは視察でしか行ったことがない(笑)。 啓太「和希って意外にゲーセン好きだったりするんですよ。だからオーソドックスに映画とか遊園 地なんかもいいんじゃないですか?」 成瀬「そうだね。なんだか当たり前すぎて行かなくなってるけど……。意外に穴かもしれない。 かえって新鮮な気がするしね」 和希「啓太? それは単に自分が行きたいだけなんじゃないのか?」 成瀬「確かに中嶋さんはあんまり映画とか遊園地とかには行くようなタイプじゃなさそうだけど」 中嶋「絶対行かないわけじゃないさ。こいつが上手におねだりできたら、行ってやってもいい」 啓太「ホントに? 俺、見たい映画があるんですけど」 中嶋「それは今夜のおまえの 『出来』 次第だな」 啓太「うわぁっ♪ じゃあ俺、がんばります!」 和希「啓太……(泣)」 続きはぼちぼちUPしていきます。 23 その時の二人の雰囲気は? 24 その時どこまで進んだ? 25 よく行くデートスポットは? 26 相手の誕生日。どう演出する? 27 告白はどちらから? 28 相手のことを、どれくらい好き? 29 では、愛してる? 30 言われると弱い相手の一言は? 31 相手に浮気の疑惑が! どうする? 32 浮気を許せる? 33 相手がデートに1時間遅れた! どうする? 34 相手の身体の一部で一番好きなのはどこ? 35 相手の色っぽい仕種ってどんなの? 36 二人でいてドキっとするのはどんな時? 37 相手に嘘をつける? 嘘はうまい? 38 何をしている時が一番幸せ? 39 ケンカをしたことがある? 40 どんなケンカをするの? 41 どうやって仲直りするの? 42 生まれ変わっても恋人になりたい? 43 「愛されているなぁ」と感じるのはどんな時? 44 「もしかして愛されていないんじゃ・・・」と感じるのはどんな時? 45 貴方の愛の表現方法はどんなの? 46 もし死ぬなら相手より先がいい? 後がいい? 47 二人の間に隠し事はある? 48 貴方のコンプレックスは何? 49 二人の仲は周りの人に公認? 極秘? 50 二人の愛は永遠だと思う? |
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