啓太くんのお料理教室 |
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〜18. チキンロールとちびっと豪勢ちらしずし オマケ・きじ焼き丼 |
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講師・滝俊介 |
啓太「助けてドライもーん」 滝「誰がドラ●もんやねん。俺はあないに太ってへんし、手足も短うないで」 啓太「いやだから、ドラ●もんじゃなくてドライもん。俊介って嫌なことでも食券で割り切れるドライなとこ あるだろ? だからドライもん」 滝「ドライやからドライもん?」 啓太「(フンフンと首を振る)かっこいいよ?」 俊介「ん〜。なんや思うトコがない訳やないけど、まあええわ。それで?何をデリバるねん」 啓太「さっすが俊介。察しがいいなあ♪」 滝「持ち上げてもあかん。きっちり食券は出してもらうでえ」 啓太「もちろんだよ〜。10枚、いや15枚でどうかな」 滝「なんや、その非常識なまでの枚数は。ヤバいもんとちゃうんやろな。ヤクと盗品はお断りやで」 啓太「やだなあ。品行方正。天下のBL学園学生会長の俺がそんなことするはずないだろ」 滝「不純同性交遊に耽っとるヤツが品行方正か、言うたら甚だ疑問ではあるけどな」 啓太「大丈夫。だって俺、『不純』じゃないもん。ってか冗談は置いといて。運んできて欲しいのは安全な、 ただの食品だよ」 滝「ほんなら何や。むっちゃ大量か?それともアホほど遠いとこか」 啓太「どっちでもない。橋向こうのスーパーで行けるかもしれない」 滝「ふ〜ん?何や深い訳がありそうやな。まあちょっと話してみ?」 啓太「実は……」 ![]() 滝「えーと。つまりこういうことか? 明日は愛しい恋しい遠藤和希さまの誕生日で、是非とも手料理を作っ てお祝いしたいけど、自分には壊滅的なまでに料理の才能がない。そこでこのスーパー高校生・俊 介ちゃんにおすがりして、メニューを考えてもらい、ついでに食材の購入まで頼んでしまおう」 啓太「……少なくとも間違いとは言えないかな」 滝「なるほどなるほど。ほぼ丸投げとなれば、確かに食券15枚は妥当やな」 啓太「恩にきるよ〜」 滝「安心し。食券分の仕事は、きっちりやらしてもらうよって」 啓太「助かったぁ」 滝「ほなまずビジョンから聞かせてもらおか」 啓太「ビジョン?」 滝「アウトラインとも言う。まぁ要するにどないなもん作りたいかってことや。だいたいあるやろ。こんなんー とかいうやつ」 啓太「なんだ、イメージか。だったらこう、大皿の真ん中にポテトサラダが盛り上げてあって」 滝「ふんふん。好きやもんなあ、ポテサラ。ほいで?」 啓太「それで……」 滝「……それで?」 啓太「…………」 滝「って、それだけかい!(@ ̄□ ̄@;)!!」 啓太「……(泣)……」 滝「はぁ〜(脱力)。そら食券出してでも頼りたなるわな」 啓太「……ごめん」 滝「もうええて。啓太でもできそうなもん考えるから安心し。ポテサラはできるねんやろ?」 啓太「うん。玉ねぎとピーマンをたっぷり入れて作る特製だよ」 滝「オッケー。ほなちょっとスーパーまで行って来るわな」 啓太「あ、そうだ俊介」 滝「何や」 啓太「さっきの『愛しい恋しい』って何だよ、あれ。歌舞伎のセリフじゃないんだから」 滝「いとしこいし、か。いとこい師匠、知らんか?」 啓太「うん。ぜんぜん」 滝「しゃべくり漫才の神様、夢路いとし喜味こいし師匠のことや。どれくらいすごい人かって、カフェのオー ナーの使うとるケータイはガラケーのくせに一発変換しよる」 啓太「へ〜ぇ?」 滝「兄弟で演ってはって、上品やのに笑わせる芸は、今のえげつなかったりどぎついだけやったりする漫 才とは、まったく次元の違うものやったんやで」 啓太「ふうん」 滝「なんやもう、ノリの悪いやっちゃなあ」 啓太「ごめん。漫才そのものが何かピンと来なくって」 滝「それもまあしゃあないか。ほな買い物行って来るから、勝手にどっか行かんとってや」 啓太「え?でも作るの明日だよ?」 滝「ちっちっち。今日から仕込んどくのんや。まあ見とってみ」 ![]() 滝「ちゅー訳で、今日はチキンロールを作ります。漬け込む時間がかかるだけで手間はほとんどかからへ んという優れもんやねんで」 啓太「そうなんだ」 滝「ほかのおかずとかとの兼ね合いもあるけど、2人で1本くらいで考えてか」 啓太「じゃあ今日は1本かな」 滝「今日は2本や。見栄えの問題もあるし、何やかんや言うて人数も増えるかもしれんやろ」 啓太「それもそうだな」 滝「これはトリのモモ肉や。スーパーの肉でええから、広げたらびろ〜んとなる1枚もんを使う。せやから、 なるだけ大きいもんの方がええ。小さい肉とちょっとの時間しかない場合は最後にアレンジでドンブ リ作るから安心してや」 啓太「つまり同じ材料で違う料理もできる、ってこと?」 滝「せや」 啓太「鶏肉は1枚ものが望ましい、と」 滝「まず皮の方を下にして、まな板の上に拡げる。それを端からくるくると巻いていくねんけど、分厚いとこ は巻きにくいから包丁で切り拡げる」 啓太「こんな感じ?」 滝「少々おかしなっても巻いてまうねんから気にせんでええで」 啓太「そっか」 滝「巻けたらタコ糸でほどけんように縛るんや」 啓太「い、意外に難しいな。肉がだれ〜んとなってきちゃって」 滝「縛りにくかったら、つまようじ突き刺して仮どめしてもええで」 啓太「そうなの?」 滝「というか、タコ糸がなかったらつまようじ差しまくってもオッケーなんやけど、あとの作業がちょっとやり にくなんねん。まあ今回は押さえといたるから、ちゃちゃっと縛ってしまい」 啓太「うん」 滝「できたら表面につまようじかフォークかで、ぷすぷす穴をあける。できたら軽く塩胡椒な」 啓太「あ。ぷすぷすやるのって意外に楽しいかも♪」 滝「遊んどらんと。タレ作るから耐熱容器の準備してか」 啓太「耐熱容器ってどんなのがいいんだ?」 滝「肉がすっぽり入ったら何でもええで。タレが沸騰してくるから、深めのやつな。あと、できたら肉がまっ すぐ入るのがベストやねんけど、最悪、ドンブリ鉢でもいける」 啓太「何かさ、昭和の喫茶店〜みたいな店でカレーが入ってくる深くて横長のお皿? があるだろ? あれ だといい感じかな」 滝「せやな。あんな感じやったらええな」 啓太「でも今日は学食のオバサンに借りてきたんで、ちゃんと直方体です(笑)」 滝「はい、ではこれは俊ちゃんご愛用の『すき焼きのたれ』です」 啓太「すき焼き?……作るんじゃないよな?」 滝「ちゃう。ちょっと甘辛い系の料理を作るんに最適なんや。これでブリの照り焼き作ってみ?はじめて作 ったときはもう、マジで感動したもんや」 啓太「ま、3割引くらいで聞いとくよ」 滝「それを140CCちゅーか、軽量カップで150のちょい手前まで入れる。そこにみりんを足して150CC になったら、耐熱容器に移す」 啓太「移した」 滝「コクとテリを出すのに、ハチミツをカレーのスプーンに1杯くらい入れてよく混ぜる」 啓太「何か沈んでそうだから、もうちょっと混ぜようかな」 滝「ほんなら啓太が混ぜとう間に……。えー、これはニンニクです。大きめのが1片。土生姜も見た目で同 じくらいをすりおろしてタレに入れます。さっと混ぜたら出来上がり」 啓太「できた」 滝「ちょっと注意が必要なんは、これが関西で買うてきたタレや、っちゅうことやねん。関西以外の食文化 圏で売られてるタレがどんな味なんか俺にはわからへん。せやから関西以外のとこに住んどう人と これのためだけにタレを買うんが面倒なお方は、みりんと酒と醤油を1:1:1.5で混ぜてください」 啓太「40cc:40cc:60cc くらい?」 滝「そんなもんか? えっと、この場合はハチミツちょい多めでお願いします」 啓太「そう言えばすき焼きって、関西と関東では味が違うって言うもんな」 滝「すき焼きに限らへんけどな。……その肉、縛れたらタレに漬けて。その上にラップを3つくらいに折って 作った落しぶたならぬ落しラップをかける」 啓太「……なんかあちこちにまとわりつく」 滝「それまた気にせんでええ。要は肉が覆えたらそれでええのんや」 啓太「肉の巻き方といい、おおざっぱなんで助かるよ(苦笑)」 滝「それから改めてラップするねん。ピシッとやのうて、ふんわり気味で。出来たらレンジでチン♪や」 啓太「おお!レンジでチン♪とは素晴らしい! まるで俺のために作られた料理みたいだ(笑)」 滝「まず600ワットで2分半。ひっくり返してもう1回2分半や」 啓太「うわ〜。ぐつぐつ煮えてる」 滝「両方できたら竹串刺してみて、赤い、血の混じったみたいな肉汁が出てこんかったら出来上がりや。 出てきたら30秒くらいずつ追加な」 啓太「肉汁は透明なり」 滝「オッケー。ほな今日は終了や。あとはタレに漬けたまま一晩おくだけ。冷蔵庫に入れといて、時々は ひっくり返したってな」 啓太「あはは。半分だけ色が違うと笑えるだろうな」 滝「この場合、笑われるんは自分やねんで」 啓太「……時々、ひっくり返しにきます(汗)」 ![]() 啓太「一晩たちました。なかなか良さげな色合いです」 滝「ハムみたいに冷たく食べるんやったらそのままにしていて、食べる前に切ってんか。今日は火を入れる から外に出しとくねん。原発の再稼働があかんようになった昨今、電力はちょっとでも節約せなな」 啓太「ロールチキンはしばらく放置、と。じゃあ今からは?」 滝「ちびっと豪勢ちらし寿司、や」 啓太「それで朝から『ごはん3合炊いといて』と言ってたのか」 滝「ま、そういうこっちゃ。ほんで、これは市販のちらし寿司のもとです。具の入ったものを使います。ごはん は袋に書いてあるだけ炊いてください」 啓太「『5種類の具入り』かあ。昨日のすき焼きのタレといい、今回はインスタントが多くないか?」 滝「ええやん。その代わり、一手間加えとるやろ?」 啓太「じゃあこれからその『一手間』を作るわけだ」 滝「分かったら説明の通りにごはんと素を混ぜて。ざっと粗熱が取れるまでうちわであおぐねんで」 啓太「う〜ん。表面だけはすぐに冷めるんだけどな」 滝「混ぜすぎてごはんをつぶしたらあかんで。しゃもじを縦に使って、切るようにな」 啓太「ごはんと具は切るように混ぜる。……ってか、お酢が多くないか。びしょびしょしちゃってるけど」 滝「書いてある量の通りやったら平気や。そのうちきれいに吸い込みよるから。粗熱がとれたら涼しいとこ に置いといて、大葉を切る。太さは1ミリ以下や。今日はごはんが3合分やから、1パック10枚全部 やってくれ。くるくる巻いてから切ったらやりやすいで」 啓太「1ミリ以下ぁ〜?」 滝「1ミリ以下。細かったら細いほどええ」 啓太「……(泣)……」 滝「できたら次は錦糸玉子な。こっちも薄〜く焼いて、細〜く切る。まぁ……玉子やからなあ。1ミリとは言わ れへん」 啓太「良かった」 滝「2ミリまで許す」 啓太「……ちょっとでもほっとした自分が馬鹿に思えるよ(泣)」 滝「その分、出来上がりがきれいで?」 ※ 「大葉」とは青紫蘇のことです。念のため。 ![]() 啓太「はい。大葉を切るのと錦糸玉子を作るのとに時間がかかっちゃってた間に、ごはんもすっかり冷めま した。もはや『ごはん』ではなく『ちらし寿司』です」 滝「ほんならその上に、切った大葉を投入。まだ混ぜへんで。スモークサーモンを足してからや。何べんも 混ぜよったらごはんがつぶれるからな。回数は1回でも減らすねん」 啓太「スモークサーモンのパックって、薄っぺらくてぺったりしてて、出しにくいよな」 滝「今回はそれを利用すんねん。スプーンでもお箸でもいいから、開けた口から突っ込んで、中身を掻き出 すんや。1パック全部な」 啓太「ぼろぼろになるよ?」 滝「それでええねん。ちょうどええ大きさになるやろ? きれいに出してしもたら切らなあかんやん」 啓太「まぁ確かにね」 滝「全部出せたらちらし寿司に混ぜこんでか。さっきみたいに切るようにな」 啓太「わぁ。大葉の緑とサーモンのピンクが入ると、なんかきれいになった感じがする」 滝「基本、ちらし寿司って茶色いからな〜。混ぜ終わったら器に盛りつけてな」 啓太「錦糸玉子は?」 滝「盛りつけてからや。きれいにまぶして、最後にイクラを飾りつけたら終わり。これは醤油漬けになって 刺身売り場のはしっこあたりで売られとうイクラや。パックが小さいけど、ごはん3合分くらいやったら これでじゅうぶんやで」 啓太「見せといて食べる前にまぜるわけか。なるほど〜。ちびっと豪勢だ」 滝「ほんならロールチキンに戻るで」 啓太「そうそう。一晩かけた大作だよ」 滝「ポテトサラダはできたんやろ?レタス敷いてから大皿の真ん中に盛り上げてか」 啓太「今日は玉ねぎとピーマンのスライスをいつもよりたくさん。マヨネーズにカラシを足してピリ辛に仕上 げてます」 滝「へぇ?玉ねぎとカラシでダブルにピリッか。美味しそうやん」 啓太「俺、辛いのは苦手だから、いつもはほどほどなんだけどね。でも和希はこれくらいが好きだよなあっ て思って」 滝「うひょ〜。愛は好みを越えるねんなあ」 啓太「……」← ちょっと怒ってるものの、図星なもんで何も言えない(苦笑) 滝「へへ。ごめんごめん。せやけどな、食べさせてやりたい相手が何が好きか。どないしたら喜んでもらえ るか……って考えもって作るんが、いちばん美味しく作れるねんで。うちの場合は家族やな」 啓太「料理は相手のことを思いながら作るとよい、と」 滝「チキンはさっきから放置しとったから室温くらいにはなってると思うけど、あんまり冷たいようやったら、 軽〜くチンしてな」 啓太「ああホントだ。そんなに冷たくなくなってる」 滝「そしたらフライパンを火にかけて、熱くなったら、ちょい焦げ目をつける感じで転がすねん。タレもちょい 入れてな」 啓太「焦げ目がついてタレがからんできたら、ぐっと美味しそうになってきたよー♪」 滝「せやろ?やり過ぎる前にあげて、食べやすい大きさに切って、ポテトサラダの周囲に盛る」 啓太「こんな感じかなー」 滝「ゆで玉子の飾り切りと、プチトマトも飾っとこか」 啓太「ちびっと豪勢、だもんな」 滝「ほんじゃラストいくで。残ったタレを適量、さっきのフライパンに入れる」 啓太「適量ってどのくらい?」 滝「う〜ん。難しいな。今日は2本やろ?出来上がりで5〜60ccもあれば十分やないかな」 啓太「まあいいや。テキトーに入れちゃお」 滝「ほな聞くなや(笑)。さぁ、そこにおろししょうがを好みで加えてな、とろみがつく程度にちょっと煮詰める。 できたら食べる直前にかけたら出来上がり」 ![]() 和希「え?何なに♪ 啓太がごちそう作ってくれたの?」 啓太「俊介に手伝ってもらったんだけどな」 和希「どれどれ?わーお!本格的じゃん」 啓太「ちびっと豪勢ちらし寿司とチキンロールだよ。若竹の吸い物は学食のおばちゃんからのサービスな」 和希「あの小さかった啓太がこうして誕生日を祝ってくれるなんて……。オニイチャンうれしいぞ(感涙)」 啓太「えーっと、ちらし寿司はこのくらいでいい?」 和希「うんうん。……あ」 啓太「あ?」 和希「大葉がすごく風味がよくて、でも邪魔にならないのは極細に切ってあるからかな」 啓太「なにしろ俊介の指令は『1ミリ以下』だったからなあ」 和希「スモークサーモンもよく合ってる。なんか味がマイルドになってる感じ?それにこのイクラのぷちぷち 感が最高だ」 啓太「じつは俺もそう思ってた(笑) 和希「ポテトサラダもピリッとしてていいなあ」 啓太「玉ねぎたっぷりとピーマンを細切りにして塩もみしたやつをいれてるんだ。マヨネーズにカラシも加え たけど、それをオイル系ドレッシングでゆるめてから使ってる」 和希「すごい!手間がかかったろう」 啓太「それが思ったほどでもなかったよ。チキンロールはほとんど放置プレイだったしな」 和希「そうそう。チキンロールだ。……う〜ん。本格的」 啓太「種明かししちゃうと、すき焼きのタレにみりんとハチミツ足して、レンジでチンしただけなんだ」 和希「へ〜? 俊介もやるなあ。……あ、西園寺さんと七条さん。一緒にどうですか? 誕生日なので啓太 が作ってくれたんです」 七条「それはそれは。是非ともお相伴させて頂きましょうか。ねぇ、郁」 西園寺「ああ。もちろんだ 和希「どうです?俊介に教わって作ったそうなんですが」 七条「ええ。とても美味しいです。滝くんはジャンクフードっていうイメージがあったんですが、認識を改めな いといけません」 西園寺「そうだな。インスタントがベースにあるのはわかるが、うまくアレンジしてある」 七条「伊藤くんがちゃんと応えて作ったから、ですよね」 啓太「えへへ〜 (〃⌒ー⌒〃)ゞ」 西園寺「その滝はどうした。こんな席ではいちばん箸を動かしていそうなのに。遠慮する柄ではあるまい」 啓太「そう言えば……」 和希「いや、さっきからさ。厨房の方からいい匂いがしてるんだけど」 ![]() おばちゃん1「ごめんねぇ滝くん。わたしらまでご馳走になっちゃって」 おばちゃん2「ホント。美味しいわぁ」 滝「どうぞどうぞ。若竹の吸い物つけてくれたしな。おばちゃんらにはいっつも大盛りにしてもろてるし。まあ ちょっとしたお返し、ってことで」 啓太「俊介。こんなとこで何やってんだ?」 滝「何ってきじ焼き丼パーティー……。あー、せやせや。アレンジ教える言うとったなあ。ごめん。言うてな かった。これや」 啓太「きじ焼き丼?」 滝「そ。あのタレつけもって鶏肉焼くねん。これは巻かずにそのままな」 和希「ロールほど厚みがない分、タレがしっかり絡むよな」 啓太「びろ〜んと大きい肉がない場合、ってのはこういうことか」 滝「そうや。そのまま食べても美味しいねんけどな、どんぶりにご飯入れて、細切りの海苔をしきつめるや ろ? ちなみに今日の海苔は、ちらし寿司の素に入っとったやつな。そっちで使わんかったからこっち で使わしてもろた」 七条「さすがは滝くん。しっかりしてますね」 滝「ちょっと半熟気味のスクランブルエッグをその上にのせて、そぎ切りにしたチキンを並べたら終わりや。 タレもちょいかけてな。青みはお好みで。今日はししとうをさっと炒めたんをそのまま使うとるけど、 輪切りにしたピーマン炒めて散らしてもええやろな」 啓太「なんかこっちも美味しそう」 和希「ちょっと味を見せて……っていいたいところだけど、学食のおばちゃんが遠慮したらいけないから」 七条「そうですね。今日はパスして、次の休みに伊藤くんに作ってもらいましょうか」 啓太「うわぁ、大変そう……。というわけで、今日のお料理教室は終わります」 ![]() |
いずみんから一言。 いや〜。思ったより長くかかっちゃいました。 いつもは短すぎて、ふくらませるのに困るくらいなのに。 字数も無駄に多いです(汗)。 簡単なので、まあ是非一度、お試しください。 |
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