スティルハンター

 枝を離れた枯葉が、一枚また一枚と窓の外を舞っている。風は絶え間なく木々を揺らし、耐えかねた葉がもう一枚、枝を離れて宙に舞う。転校してきた頃、まだ青々と葉を茂らせていた中庭の木々も、いつの間にかすっかりその姿を変えてしまった。
 伊藤啓太は資料を整理する手をとめて、しばらく窓の外を見つめていた。ここはとても温暖な土地で、啓太の家がある地方に比べるとうんと暖かいのだが、それでもやはり冬は冬であるらしい。風が吹き抜ける音が、締め切った窓を通してさえ、かすかに耳に届いてくる。
 大きな試合も各種コンクールも、一部を除いて終了してしまった今の季節。
 そして冬休みまでにはまだ少し間のあるこの頃。BL学園は不思議な静けさに包まれ始めていた。
 シーズンの終了した各種の部や同好会からあがってきた報告書をまとめあげ、学生年鑑に載せられる形に仕上げるのは学生会の仕事でもある。啓太はその報告書の内容を、新聞その他の資料とつきあわせ、確認をとる仕事を任されていた。ちゃんとチェックしておかないと、ごく稀にではあるが、成果を水増しした報告書を送ってくる不届きな同好会もあったりするからだ。そんなものが年鑑に載ってしまったら、学生会どころか学園そのものの信用が失われてしまいかねない。だからそれはとても重要な、それでいて膨大な資料を相手にした、単調で根気のいる作業でもあった。
 慣れない作業に疲れてきた啓太は、窓の外に眼をやりつつ、誰にも聞こえないように、そうっとため息をついた。部屋の向こう側でパソコンをたたいている副会長の中嶋英明は、地獄耳といっていいくらい耳がいい。下手なため息をつくと、聞きとがめられる恐れがあった。そうなったら何が起きるかわかったものじゃない。彼の「お仕置き」の恐ろしさは、身にしみてわかっている啓太である。ちらっと中嶋の姿勢のいい後姿に眼をむけたあと、もうひとつ、今度は小さくため息をついて、啓太は資料に向き直った。
 一連の作業の総責任者であるはずの学生会長・丹羽哲也は、どうやらトンズラを決めこんでしまったらしい。トイレにでもいくようなふりをして出ていったあと、すでに二十分が過ぎようとしているが、一向に戻ってくる気配がないのだ。トイレまでの往復の時間を考えたとしても、これはいくらなんでも長すぎた。見た目は先刻とは変わらないが、中嶋の頭の中では、「脱走」の赤ランプが点滅し始めているに違いない。
 それが「追跡」「捕獲」「強制連行」と、ランプが切り変わっていくまで、残り時間はあとどのくらいだろう?
 王様はこんなに寒くなっても、まだあの海岸にいくのかな。
 啓太は新聞を切り抜きながら、丹羽が出ていった時のことを思い出そうとした。
 確かにコートは持っていなかった。それは断言できる、と思う。ロッカーを開けた気配が、まるでなかったし。だけど制服のジャケットだけで海岸に座っているのは、いくら王様でも寒いんじゃないのかな。中嶋さんや七条さんみたいに、下にベストを着てるってわけじゃないし。それに冬の日は暮れるのが早いから、今から歩いてくと、着いていくらもしないうちに暗くなってしまうよ? もしかしたら「王様お気に入りの場所・冬バージョン」っていうのがあるのかもしれないけど、でもそんな場所、俺は知らない。想像もつかないし。
 だからもし今、中嶋さんから王様を見つけてつれて帰ってこいっていわれたら、どこに探しにいけばいいんだろう――?
 そんなことを考えながらも、手だけは赤く囲っておいた新聞記事を切り抜いて紙に貼り、報告書につけておいたメモにチェックを入れてクリップでとめていく。すべての記事がそろった報告書は、もう一度確認してから切抜きをステープラーで綴じる。それを用意してあった部ごとの封筒に入れ、決められたファイルの決められた場所にはさみこんで、ようやくひとつの部が終了となる。いらなくなった新聞をたたんで片づけていた啓太に、中嶋が声をかけた。
「啓太」
「うわっ、はっ、はいっ。王様ですか?」
 たった今まで丹羽の行方を考えていた啓太は、ついそんなことを口走ってしまっていた。
「丹羽?」
 不審そうに部屋の中を見回したところをみると、中嶋は丹羽がいなくなったことに気づいていなかったようだ。ということは啓太は墓穴を掘ったことになる。
「そうか……。コーヒーを頼もうと思ったんだが、丹羽がいないとなると……」
 あーあ。こんなに寒そうなのに、海岸まで探しにいくの嫌だなあ。たまには中島さんが探しにいってくれてもいいのに。黙って逃げた丹羽を、啓太は少々恨みがましく思った。
「そうだな。せっかくだから、お前にしよう」
 やっぱり。そう思いながら、啓太がコートを手にしたときだった。
「何をやっている。お前にする、といってるんだ。ドアに鍵かけてこっちにこい」
「え、ええっ!?」
「突然帰ってきた丹羽に、あられもない姿を見られたいんだったら、そのままでもいいが。もっとも、入ってくるのは丹羽だけとは限らないな。学生会室のドアは、BL学園すべての学生に開かれている訳だから」
 意地悪くそういうと、中嶋は眼鏡のブリッジを押しあげた。
「どうした。お前だって退屈してたんじゃなかったのか? 外を見たりため息をついたりしてただろう」
 啓太はがっくりと肩を落とした。
 こっそりとやったつもりだったのに。中嶋さんには全部お見通しだったんだ。あの人、絶対どこかにレーダー隠してるよ……。
 そしてのろのろとドアに向かいかけた啓太に、中嶋が追い討ちをかけた。
「鍵をかけたらジャケット脱いで、こっちにくるんだ」
 啓太は鍵をかけたあと、何度もドアのノブをひっぱって開かないことを確認してから、いわれたとおりにジャケットを脱いだ。そのまま中嶋の前に立ったものの、彼の顔を直視できず、眼をそらせてしまう。
「どうした。いつまで恥ずかしがるつもりだ。もういいかげん慣れた頃だろう。なのにいつもいつも、まるで初めてのような顔をする」
 中嶋の名誉のためにつけ加えておくと、啓太は決して中嶋に抱かれるのが嫌なわけではない。ただ、彼を受け入れるときの全身が軋むような痛みの記憶が、本能的に啓太を怯えさせてしまうだけなのだ。だから中嶋の私室でゆっくりと時間をかけて追いあげられ、圧倒的な快楽の波で恐怖感を薄れさせてしまえるときなどは、むしろ従順といっていい態度で中嶋の腕に身を任せている。
 だが今回のように時間らしい時間もなく、啓太の方に精神的な余裕を作れないとき、それは最後に訪れる快感の予感だけではごまかしきれない、苦痛を思い出させるだけのものとなってしまうのだ。
 頭の一部が醒めているからだと、中嶋からいわれたことがある。俺を信じて、俺だけを感じていれば、場所などは何も関係ない、とも。
 でも中嶋さんは中嶋さんを受け入れるわけじゃない。
 その反発感が、啓太の顔を中嶋に向けさせた。
「いい表情(かお)だ。そそってくれるじゃないか……。じゃあ次はズボンと下着を脱いでもらおうか。どうした? 脱がせてもらわないと何もできないのか?」
「……俺、自分で、できますから」
 そういって啓太は、のばしかけた中嶋の手を振り払うかのようにベルトをはずし、靴を脱ぎ捨てた。そしてズボンと下着を一緒に下ろすと、中嶋の隣のデスクに放り投げた。
「ふん。挑発でもしているつもりか」
「脱げといわれたから脱いだだけです」
 中嶋のくちびるが楽しげにつりあがった。それは中嶋が昂まってきたことを示すサインでもある。ごくりと唾を飲みこんだ啓太は、その音が聞かれなかったかどうか、つまらないことが気になった。
「そんなに何でもいうことを聞いてくれるなら、次に何をしてもらうか迷うじゃないか。
次は……そうだな、そこの机に手をついてもらおうか。身体を二つ折りにするんだ。この間やっただろう。……おっと、椅子は邪魔だ。のけておけ」
 机に手? 確かにやったけど……。でもあれは中嶋さんの部屋でだったじゃないか。こんな明るい部屋で、それも椅子に腰かけてる中嶋さんの前でそんなことをしたら、一番奥の窄まりもなにもかも、目の前にさらすことになってしまう。そんな恥ずかしいこと……。
 くちびるを噛みながら、それでも啓太は中嶋のことばに従った。机に突っ伏した啓太は、投げ出した腕にあごを乗せた。そして中嶋が侵入してくるのをじっと待つ。こうしていると一秒が一時間にさえ感じられ、啓太はこぶしを噛んでそれに耐えようとした。
 たまらない時間は、背後でベルトのバックルをはずすかすかな音で破られた。一気に啓太の心拍数が上がる。すっかり乾いてしまったくちびるを舐めようとした、そのとき。
 電話が鳴った。
 突然鳴り響いたベルの音に、びくん、と震えた啓太が身体を起こそうとした。
「駄目だ。そのままでいろ」
 そう制しておいて、中嶋は電話を取った。
「はい、学生会室。……はい。……はい。あそこは一度断ってますけど? ああ、はい、じゃあつないでください」
 中嶋は送話口を手で覆って、動くなよと啓太につけ加えた。
「はい、お電話変わりました。BL学園学生会。副会長の中嶋と申します。……はい、……あの、その件に関しましては、先日、文書でお断り申し上げたはずですが。……ええ、……はい。いえ。そういう訳ではなく……、ええ、お申し越しのご趣旨は理解しているつもりでおりますが」
 中嶋を待っている間、啓太はねっとりと絡みつくような視線を感じていた。つまらない電話に時間を取られている間、中嶋が眼で啓太を楽しんでいるのだ。ついさっきまで、ワイシャツの裾からのぞく啓太の小ぶりな双丘をたどっていた視線は、そのまままっすぐ下に下り、今は2本の足の向こうに見える啓太自身を眺め回している。遠慮のない視線に、まるで直接そこを握られてでもいるような感覚に襲われた啓太は、小さく喘ぎ声を漏らした。
「……ええ、……はい。……はい。……ではどうしてもとおっしゃるなら、理事長の方に話を通していただけますか。今のままですと学生会規定に反することになってしまいますので。……ええ、そうです。理事長からOKのサインが出ましたら、こちらはいくらでもご協力致しますので。……ええ、ではそういうことで。よろしくお願い致します」
 受話器を置いた中嶋は、小さく息をついてネクタイを緩めた。そして軽く床を蹴ると、椅子ごと啓太の前に移動した。
「待たせたな」
 いうなり中嶋は脚の間から手をのばし、啓太自身を掴んだ。中嶋の視線に犯され、硬くなりかけていたそれは、すでに先端を濡らしていた。
「……あぅ、っ……!!」
「何だ……? 待ってるだけでこれか? おまえは本当にいやらしい子だな」
「あ……、ちが……」
「何が違うというんだ? 俺は電話をしてたんだ。何もしてないぞ」
「だ……って、中嶋さ……見てた、から」
「ふうん。啓太はうしろを向いていたのに、俺がどこを見ていたかがわかるのか?」
 そこから離れた中嶋の手が、今度は双丘を押しひろげた。そして啓太に身じろぎする暇も与えず、窄まりの奥に口をつけ、舌先をねじこむ。
「ひぁ……っ!! あっ、や……っ!!」
「待たせた詫びだ」
 脚を脚で絡めとられ、力強い腕で身体を押えこまれてしまうと、もはや啓太には抗うすべは残されていない。中嶋の舌はそれ自体が生き物のように、啓太の中を思うままに蹂躙していく。一瞬のうちに砕け散りかけた理性を、それでもなんとかかきあつめ、啓太はくちびるにのぼらせた。
「や……。はな……して」
「放していいのか? 何もせずに入れたら、つらいのはお前の方だぞ」
 意地悪くいい放つ中嶋のことばに、身体の方が怯えてしまった。中嶋の舌に慣らさかけていた啓太のそこが、一気にまた閉じてしまったのだ。く……、と中嶋がのどの奥を鳴らした。
「誰かさんと違って、ここは正直だな。もっとして欲しいといってるぞ」
「う、ひっく……
 親指が押しこまれるのを感じながら、啓太は嗚咽を漏らしていた。少しでも楽に受け入れられるように、ちゃんと慣らして欲しいのも事実。でも恥ずかしくてやめてもらいたいのもまた事実。せめぎあう二律背反をどうすることもできず、啓太は自分でも気づかないうちに嗚咽を漏らしていたのだった。
 中嶋は立ちあがると啓太に覆い被さった。啓太の手に自らの手を重ね、耳のうしろにキスをする。キスとキスとの間に囁かれる男の声は、せっかくかき集めた啓太の理性を、ものの見事に吹き飛ばした。
「泣くな、啓太……。目が赤くなると怪しまれる」
「お……れ、泣いてなん……か……」
「嘘をつくな。そんなせつなげな声で。……さあ、入れてやるから、もう泣くんじゃない」
 もう一度、今度は耳朶に口づけて、中嶋は身体を離した。ベルトのバックルをはずし、ファスナーを下げる音かすかな音が、学生会室中に響き渡るような感じがした。
「……っ!! ひあ……っ!!」
 啓太の腰を抱えあげたかと思うと、中嶋は一気に押し入った。圧倒的な質量で啓太を埋め尽くした灼熱の鉄柱は、啓太を内部から焼き尽くそうとするかのようだ。中嶋はゆっくりと腰を揺すらせはじめると、片手は腰を抱いたまま、もう片手を啓太の中心に遊ばせた。先端をなぞり、滲みでたものを擦りつけるように茎を撫であげ、袋を揉みしだく。
 内と外と両方から直接追いあげられ、痛みと恐怖と羞恥心を麻痺させた啓太はさらなる快感を吸いあげようと、貪欲に自分も動き始める。淫靡な音が耳をうち、知らず知らずのうちに、ふたりをより高みへと導きあげていく。
「あ、いっ……いい……っ」
 ワイシャツのカフスを噛んで声を殺していた啓太が、耐えかねたように声を漏らした。
「いいのか? ん? どこがいいんだ……いってみろ」
「あ……全部、です」
「ふ……ん。ずいぶん大雑把じゃないか」
「だ……って、も……気持ちよくないところな……て、な……い、から……」
「そうか」
 満足げに囁いた中嶋が、しかし一度身体を離してしまった。登りつめる途中で投げ出された啓太の身体が、思わず中嶋を求めようとする。
「あ、いや。やめちゃいや……。いやだぁ」
「こら。がっつくんじゃない。ティッシュを取ってきただけだ。ちゃんといかせてやるからいい子にしろ」
 宥めるように啓太を抱きなおした中嶋が、今度はゆっくりと、小刻みにゆするようにしながら、啓太の中に再び侵入する。啓太の口から安心したような吐息が漏れた。
 中嶋は取ってきたティッシュケースから数枚抜き取ると、啓太の先端を包み込んだ。
「さあ啓太。今日は特別だ。つまらん電話で時間を取ったからな。思いっきりだしてもこの中なら大丈夫だ。だから安心していっていいぞ」
 そのことばがどれくらい啓太に伝わったか、それはわからない。だがそれに後押しされるように啓太の動きが大きくなり、呼応するように中嶋の動きも激しくなった。やがてふたりの動きがきれいにシンクロしたとき。中嶋の持つティッシュの中に、啓太はありったけを放出していた。
 つづいて果てた中嶋がゆっくりと出ていく。繋ぎ止めるものがなくなった啓太は、ずるずるとそこに沈みこんでしまった。床に手をつき、荒い呼吸を何とか整えようとする。
 その脇にズボンと下着が投げられた。
「早く着ろ。もう丹羽が帰ってくる頃だ」
 気だるさの中で振り向くと、すっかり身仕舞いをすませた中嶋が、煙草に火をつけるところだった。
「……ずるい」
「何?」
 突然の啓太のことばに、中嶋の手が思わず止まる。
「俺のどこがずるいんだ」
「だって、いつもいつも中嶋さんは、ほんのちょっと下着を下げるだけなんだ。だからズボンと一緒にあげてベルトしたらもうおしまい。なのに俺の方はズボンも何も脱がされちゃって、全部着ないといけないんだ」
「ほーお。元気がいいのは結構だが」
 煙草の火をつけなおした中嶋が、啓太の前にしゃがみこんだ。
「まるでお前は人の制服、汚したことがないみたいないい方をするじゃないか」
「う。それは……」
「制服だけじゃない。毎度毎度、遠慮もなく思いっきり汚してってくれるシーツを洗濯してるのは誰だ? うん?」
「……」
「さっきの威勢はどうした。文句のひとつもいいたいんなら、するべきことを全部やってからいってくれ」
 啓太の顔に煙草の煙を吹きかけて、中嶋は立ちあがった。よほどその背中に向けて靴を投げてやろうかと思った啓太だったが、時間を考えてやめにした。中嶋のせりふではないが、もういつ丹羽が帰ってきてもおかしくない時間だった。
 靴に足を突っこみながら、ワイシャツをばさばささせて中にこもった熱気を飛ばしていると、冷たい風が顔にあたった。風をたどると、コーヒーメーカーをセットした中嶋が、窓を開けて外を眺めているのが眼に入った。光の加減か、その横顔が微妙に憂いを含んだようにも見え、啓太は彼に声をかけるのをためらった。
 何を見てるのかな。
 そう思いながらも、結局啓太は中嶋の隣には立てなかった。邪魔をしてはいけない何かが、そのときの中嶋の横顔には感じられたからだった。かわりに使用済みのティッシュ等が入った紙袋を手にすると、どこかよそのごみ箱に捨てるために学生会室を出た。まだ少し足元がふらついていたので、いつでも手をつけられるよう、壁際をゆっくり歩く。廊下の端までいった所で、階段を上がってくる丹羽と出会った。
「どこいってたんですか、王様!!」
「悪りぃ、悪りぃ。ちょっとそこまで、って思っただけなんだがよ。みょーに外の空気が吸いたくなっちまってなあ。……まあ外は寒いわ」
「コートも着ずにいくからですよ。今、部屋で中嶋さんがコーヒー淹れてましたから」
「おっ。ヒデの奴、気がきくねぇ」
「俺、すぐに戻ってきますから、中嶋さんにそういっておいてください」
「おっしゃ。了解、了解」
 片手を軽く振りながら廊下を歩み去っていく丹羽の後姿を、啓太は小さな心の痛みとともに見送った。部屋に入って窓際に立つ中嶋を見つけたら、丹羽はなんのためらいもなく隣に立つに違いない。そんなことのできる丹羽が、たまらなく羨ましかったのだ。
 俺もいつか、中嶋さんと対等の恋人になれるのかな。
 それを考えると、いつも不安になってしまう。やがてその不安を振り払うかのように、啓太は階段を下りはじめた。壁から手を離し、階段の中央を。いつかなってみせるさと呟きながら。




いずみんより一言

やってるわりにやらしくないっすねぇ。困ったもんだ。
まあそこは作者の筆力のなさ、ということで。
書いている間中、いつ王様が帰ってくるかとドキドキしておりました。
しかしそこはさすがにヒデと王様。阿吽の呼吸だったようです(笑)。




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